熟年離婚を防ぐ!?愛妻家のための「思いやり遺言書」のすすめ

「もしも自分が先にいなくなったら、妻は1人で大丈夫だろうか」

そんな不安を抱えるようになるのは、50代という人生の折り返しを過ぎた頃かもしれません。

仕事に一段落がつき、子どもたちも手を離れ、ふと自分と妻のこれからを考える。

そんなタイミングで「遺言書」の存在を意識する方も増えています。

遺言書と聞くと、財産をめぐるトラブル防止や死後のための備えというイメージがあるかもしれません。

しかし、実は「今この瞬間」の夫婦関係にも優しく働きかけてくれるのが、遺言書なのです。

この記事では、「妻に安心して過ごしてほしい」「ずっと仲良くいたい」と願い、愛する奥様との穏やかな日々を大切にしたいあなたにこそ知ってほしい「思いやり遺言書」の力をお伝えします。

熟年離婚が増えている現実

総務省の統計によると、婚姻期間が20年以上の夫婦の離婚件数は年々増加しています。

特に妻側からの離婚希望が多いのが特徴で、理由としてはこんな声が挙がっています。

  • 「定年後に毎日顔を合わせる生活がつらい」
  • 「もうこれ以上、夫に我慢したくない」
  • 「老後までこの人の面倒を見たくない」

これらは、長年のすれ違いや無関心の積み重ねが、ある日ついに爆発してしまった結果とも言えます。

「俺は家族のために働いてきたのに…」という夫の想いが通じず、離婚に至る。

こんな不幸な結末を避けたいと思うなら、今こそ伝える努力が必要です。

熟年離婚の背景には、「家族のために頑張ってきた夫」と「もっと寄り添ってほしかった妻」のすれ違いがあります。

「今さら何をすればいいかわからない」という方もいらっしゃるでしょう。

でも、遅くはありません。

遺言書を「妻への思いやり」として活用してみませんか?

愛妻家が遺言書を作るべき理由

あなたがいなくなった後、妻が経済的に困ることのないように。

そんな想いを形にするのが、遺言書です。

たとえば、遺言書がないと、財産は法律に従って分けられます。

特に遺言書が役に立つのは、子どもがいない場合です。

子どもがいないと、夫の兄弟姉妹との遺産分割協議が必要になることも。

その過程でトラブルになり、妻が精神的・経済的に苦しむリスクがあります。

あなたの意思で「すべてを妻に相続させたい」と明確にしておくことは、将来への安心であり、最大の優しさです。

遺言書が「今の夫婦関係」にもたらす効果

死んだ後の話なんて、縁起でもないと思っていませんか?

実は、遺言書は「今」の夫婦関係に良い影響を与えるツールでもあります。

「遺言書を作ったよ。○○が困らないようにって思って。」

そんな一言が、妻にとってどれほど大きな安心になるか、想像してみてください。

「この人は、私の老後のことまで考えてくれていたんだ。」

「ちゃんと向き合ってくれている。」

そう思えるだけで、妻の心に信頼や感謝が生まれ、夫婦の絆が深まります。

さらに、遺言書をきっかけに老後資金や介護の話をすることで、人生の後半に向けた夫婦の共同設計が始まることもあるでしょう。

遺言書は、単なる法律文書以上の価値を持つ「思いやりの証」です。

愛情を言葉と形で伝えることは、夫婦関係を再確認するチャンスでもあります。

遺言書に書ける愛妻家ならではの内容とは?

遺言書には、以下のようなことが書けます。

  • 妻にすべての財産を相続させること
  • 特定の預貯金や不動産を妻に相続させること
  • 「感謝の言葉」などのメッセージ(付言事項)

付言事項に法的な効力はありませんが、「誰に何をどうして渡すのか」に込めた想いや背景、感謝の気持ちを自由に綴れる部分です。

「いつも家族を支えてくれたこと、本当に感謝しています。これは、あなたが安心して過ごせるように残したものです。○○、長い間そばにいてくれてありがとう。」

このような言葉は、残された妻にとって、何よりの宝物になるでしょう。

遺言書作成の基本と注意点

実際に遺言書を作るにはどうしたらいいのでしょうか。

自筆でも作成できますが、愛する人のために確実に残すなら「公正証書遺言」がおすすめです。

【公正証書遺言のメリット】

  • 公証役場で作成するため、形式ミスがない
  • 第三者が関与するため信頼性が高い
  • 家庭裁判所での検認手続きが不要

「初めてでよく分からない」「夫婦で一緒に考えたい」

そんな方は、行政書士や司法書士といった専門家に相談することで、スムーズかつ安心して準備ができます。

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【まとめ】愛を伝える最後の手紙としての遺言書

妻とのこれからの時間を、もっと穏やかで温かいものにしたい。

そんな思いを持つあなたには、遺言書がきっと力になります。

遺言書は、「自分が亡くなった後のため」だけでなく、「今をより良く生きるため」「夫婦の絆を深めるため」のツールでもあるのです。

思いやりの形として、未来の安心のために。

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