飼い主にもしものことがあったら?大切なペットの暮らしを守るために今できること

「もし自分が入院したら、この子はどうなるんだろう?」
「自分が先に亡くなったら、誰がお世話をしてくれるのだろう?」

犬や猫と暮らしていると、一度はそんなことを考えたことがあるのではないでしょうか。

特に、一人暮らしの方や高齢の飼い主さんにとって、 自分に何かあったときのペットのことは大きな心配事です。

ペットのための備えというと、 「お金を残しておけば大丈夫」と思われることがあります。 しかし、実際にはお金だけでは十分ではありません。

大切なのは、

  • 誰に託すのか
  • 緊急時に誰が動くのか
  • 飼育費用をどうするのか
  • ペットの情報をどう伝えるのか

まで、ひとつずつ決めておくことです。

猫と暮らす行政書士の立場から、 飼い主さんが元気なうちに考えておきたい備えについてお伝えします。

まず考えたいのは「誰に託すか」

ペットの将来を考えるとき、最初に決めたいのは引き取り先です。

家族や親族、友人など、信頼できる方にお願いできると安心ですね。

ただし、 「動物が好きだから大丈夫」 「以前犬を飼っていたからお願いできるだろう」 と飼い主さんだけで決めてしまうのはおすすめできません。

その方自身が引き取りたいと思っていても、 住んでいる家がペット不可だったり、 家族の同意が得られなかったりすることもあります。

先住犬や先住猫がいる場合には、相性の問題もあります。

まずは本人にきちんと相談し、 「本当に引き取ることができるのか」 を確認しておきましょう。

できれば第一候補だけでなく、 事情が変わった場合に備えて第二候補まで考えておくと安心です。

「その日すぐに動ける人」も必要です

将来の引き取り先を決めただけでは十分ではありません。

たとえば、一人暮らしの飼い主さんが突然救急搬送されたとします。 家の中には猫がいます。

引き取りをお願いしている人が遠方に住んでいる場合、 その日のうちに来てもらえないかもしれません。

そこで重要になるのが、 「まずペットのところへ行ってくれる人」 です。

家の鍵をどうするのか。
誰に連絡してもらうのか。
フードや薬はどこに置いてあるのか。

こうしたことも決めておく必要があります。

財布やスマートフォン、玄関などに、 「自宅に猫がいます」 「緊急時はこちらへ連絡してください」 と書いたカードを用意しておく方法もあります。

ペットを守るためには、 「将来の引き取り手」と「緊急時に動く人」を 分けて考えることも大切です。

ペットの飼育費用も準備しておく

誰かにペットを託すのであれば、 飼育費用についても考えておきたいところです。

犬や猫との暮らしには、たとえば次のような費用がかかります。

  • フード
  • トイレ用品
  • ワクチン
  • 健康診断
  • 通院・治療
  • ペット保険
  • トリミング
  • 冷暖房
  • ペットシッター

さらに、高齢になるほど通院や治療が増える可能性があります。

今かかっている年間の飼育費を一度書き出し、 ペットの年齢も考えながら、おおよその金額を考えてみましょう。

ただし、多額のお金を用意すれば安心というわけでもありません。 相続人がいる場合には、ほかの財産とのバランスも考える必要があります。

犬や猫に直接財産を残すことはできません

「この子のために預金を残したい」 と思う飼い主さんもいらっしゃるでしょう。

しかし、犬や猫自身を相続人として、 自分の財産を直接相続させることはできません。

そこで、 ペットそのものにお金を残すのではなく、 ペットを守ってくれる人や仕組みにお金を託す という考え方をします。

代表的な方法には、遺言書や契約を利用する方法があります。

遺言書でペットと飼育費用を託す方法

一つの方法が、遺言書を使う方法です。

たとえば、 「友人に一定のお金を渡し、その代わりに愛猫を終生飼育してもらう」 という内容を遺言書に定める方法があります。

「負担付遺贈」と呼ばれる方法です。

ただし、ここで気をつけたいことがあります。

遺言書は、飼い主さんが一人で作成できるものです。 つまり、遺言書に名前を書かれた人が、 あらかじめその内容に同意しているとは限りません。

そのため、 「遺言書に書いておけば大丈夫」 ではなく、生前に相手と十分に話をしておくことが非常に重要です。

また、実際にペットを引き渡したり、 財産の手続きを進めたりする人として、 遺言執行者を決めておくことも検討します。

生前に契約を結んでおく方法もあります

「自分に何かあったら、この猫をお願いしたい」 「そのための飼育費として○○万円を渡したい」 という内容について、 飼い主さんと引き取り手との間で あらかじめ契約を結んでおく方法もあります。

遺言との大きな違いは、相手との合意があることです。

誰がペットを引き取るのか。
どのように飼育するのか。
費用をどのように渡すのか。

事前に話し合って書面にしておくことで、 双方の認識の違いを減らすことができます。

実際には家族関係や財産状況によって適した方法が異なるため、 遺言書と契約を組み合わせる場合もあります。

お金だけでなく「この子の取扱説明書」を残す

新しくペットを引き取る人にとって、 飼育費と同じくらい大切なのが、その子自身の情報です。

たとえば、次のような内容をまとめておきます。

  • 名前・生年月日
  • 性格
  • 好きな食べ物
  • 苦手なこと
  • いつもの生活リズム
  • 持病や服用している薬
  • かかりつけの動物病院
  • ワクチン接種歴
  • ペット保険
  • マイクロチップ情報

飼い主さんには当たり前のことでも、 新しい飼い主さんには分かりません。

「このフードしか食べない」
「抱っこが苦手」
「夜に薬を飲ませる」

そんな小さな情報が、 新しい環境で暮らすペットにとって、 とても重要になることがあります。

こうした情報は、 「その子の取扱説明書」 のようなものです。

ペットの備えと飼い主さん自身の備えはセットです

ペットの将来について考えていくと、 最終的には飼い主さん自身の備えにつながります。

亡くなったときだけではありません。

  • 認知症になったとき
  • 長期間入院するとき
  • 施設へ入所するとき

こうした場面でも、 ペットのお世話を続けることが難しくなる可能性があります。

そのため、必要に応じて、 遺言書だけでなく、 財産管理等委任契約・任意後見契約・死後事務委任契約なども含めて、 自分自身の将来を考えておくことが大切です。

飼い主さんの安心と、ペットの安心は別々のものではありません。

一緒に考えておくことで、 「もしものとき」への備えにつながります。

元気な今だからこそ決められることがあります

ペットの将来について考えることは、 少し寂しく感じるかもしれません。

けれど、病気になってから、入院が決まってから、 あるいは高齢になってから慌てて決めるよりも、 元気なうちの方が選択肢はたくさんあります。

まずは、 「この子をお願いできる人は誰だろう」 と考えるところからで構いません。

引き取り先、緊急時の連絡先、飼育費用、 ペットの情報、遺言や契約。

一つずつ準備していきましょう。

大切なペットのこれから、一緒に考えてみませんか?

「自分にもしものことがあったら、この子はどうなる?」
「誰にお願いすればいいのか分からない」
「遺言書や契約が必要なのか知りたい」

まだ具体的な準備が決まっていない段階でも大丈夫です。

行政書士ようこオフィスでは、 飼い主さんとペットの状況をお聞きしながら、 必要な備えを一緒に整理します。

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