障害のある子やペットを守る負担付遺贈や遺言信託

障害のある子がいらっしゃる場合、ご高齢の親御さんにとってはその子の将来がとても心配でしょう。

また、ペットがいる場合も、飼い主さん亡き後にお世話をしてくれる人の存在が必要です。

負担付遺贈や遺言信託をうまく活用すれば、財産を特定の人や団体に渡し、希望通りにお金を使ってもらうことができます。

負担付遺贈とは

「負担付遺贈」とは、財産を譲る代わりに、遺贈を受ける人に一定の義務を負担させる仕組みです。

遺贈は、遺言によって財産を譲り渡すことを指し、遺言者が死亡することによって効力が発生します。

一般的な遺贈には、財産を譲る効果しかありません。

一方、「負担付遺贈」は、遺贈と負担の両方がセットになっています。

負担付遺贈を利用する時の注意点

負担付遺贈は遺言者の一方的な意思によってなされ、受遺者(財産をもらう側)の同意は必要とされていない点に注意が必要です。

受遺者には、負担付遺贈を承認するか放棄するかの選択が認められています。

放棄された場合、遺言者の希望が叶えられなくなってしまいます。

また、受遺者によっては、財産だけを受け取り、一定の義務を負担しない可能性もあります。

受遺者が義務を負担しない場合、相続人や遺言執行者によって義務の負担を求めるができます。

その上でも、負担しない時には、家庭裁判所へ遺贈の取り消しを求めることが可能です。

負担付遺贈を利用する時のコツ

負担付遺贈のために遺言を作成する時は、事前に遺言者と受遺者との間で十分に話し合うことが重要です。

受遺者の同意を得ておけば、後に放棄される心配も少ないでしょう。

負担と財産のバランスを考えて、受遺者の負担が大きくなりすぎないように配慮することも大切です。

また、民法に定められた形式通りに厳密に遺言書を作成する必要があります。

形式面での不安をなくすためには、公正証書遺言がおすすめです。

遺言信託とは

「遺言信託」とは、遺言によって信頼できる人や団体に財産を譲渡(信託)することで、特定の目的のために財産を管理または処分し、必要なことを行ってもらえる制度です。

信託銀行等を利用することで、障害のあるお子さんのために適切に財産を残すことができます。

また、ペットの飼育費用として、新しい飼い主さんに渡す目的でも遺言信託が役に立ちます。

遺言信託は、オーダーメイドです。

遺言信託は自由度が高く、専門性が求められます。

【まとめ】公正証書遺言の作成は専門家へ

負担付遺贈も遺言信託も、受遺者となる人や団体と十分に話し合い、同意を得ておくことが非常に重要です。

ひとりでは生きていくのが難しい障害のあるお子さんやペットなどの将来を守るため、民法に定められた形式通りの公正証書遺言を作成しましょう。

当事務所では、公正証書遺言の作成をトータルでサポートします。

まずは、お気軽にお問合せ下さい。

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