夫が遺言書を拒否!離婚も考える前に知っておきたい法律と現実

「もしあなたが先に亡くなったら、私の生活はどうなるの?」

心のどこかでずっと気になっているのに、夫にそんなことを聞くのはちょっと気が引ける。

でも、いざ勇気を出して「遺言書、書いておいてくれたら安心なんだけど」と話してみたら・・・。

「そんな縁起でもないこと言うなよ」「俺が死ぬ前提かよ」なんて言われて、ガックリきた方も多いのではないでしょうか。

夫の態度に傷ついたり、将来が不安になったりするのは当然です。

今回は、遺言書を書かない夫に対して妻が抱く不安や怒りの正体、そしてそれが離婚を考えるまでに発展する理由を、法律と心情の両面からお伝えします。

「遺言なんてまだ早い」という夫にモヤッとする理由

夫にとっては軽いつもりの言葉でも、妻にとっては重大なサインです。

「もしものとき、私の生活のことなんて考えてないんだ・・・」「この人は、私の将来に責任を持つ気がないんだ・・・」

遺言書を書くかどうかという問題は、単なる【書類の準備】ではなく、「あなたのことを本気で大事に思っているよ」という姿勢の見える化でもあるのです。

それを「面倒」「まだ早い」と言って避ける夫に対して、信頼や愛情まで疑いたくなってしまうのは、自然な感情です。

法律的に見る「遺言がない場合の妻の立場」

では、もし夫が遺言書を作らずに亡くなったら、妻はどうなるのでしょうか?

遺言書がなければ「法定相続」が適用され、妻と子どもで財産を分けることになります。

子どもがいない場合には、夫の両親や兄弟姉妹が相続人になることも。

もし、夫に前妻との子どもがいる場合はさらにややこしくなります。

その子も相続人になり、遺産分割協議が必要になるからです。

夫名義の自宅に住み続けたくても、名義変更のためにはその子の同意が必要となります。

場合によっては、住まいを失う可能性すらあるのです。

遺言書があれば、「妻に全財産を相続させる」と明確に意思を残すことができます。

遺留分の問題はあるにせよ、妻の生活を守る大きな武器になります。

なぜ夫は遺言を書きたがらないのか?

理由はさまざまですが、共通して言えるのは「現実から目をそらしている」ということ。

  • 「まだ元気だし、そんなに急がなくても」
  • 「死ぬことを考えるなんて縁起でもない」
  • 「遺言書って、なんだか大げさで面倒くさそう」

また、中には「自分が死んだ後のことなんて、関係ない」という無責任な考えの人もいらっしゃいます。

でも、それは自分がいなくなった後の妻に、全部のツケを押しつけるようなものです。

妻のために遺言を書かない夫:それって愛がないってこと?

もちろん、「遺言書を書かない=愛がない」とは言い切れません。

単に怖がっているだけ、重く考えすぎて動けないという場合もあるでしょう。

しかし、少なくともあなたが不安を抱えているのに真剣に向き合おうとすらしてくれないのであれば、それはもう「愛がある」とは言いにくいかもしれません。

結婚生活とは、お互いの未来を守るパートナーシップです。

一方だけが不安を抱え続ける関係は、健全とは言えません。

最終手段としての「離婚」という選択肢

たとえ今は平穏でも、夫が亡くなった後に「なんであのとき、あの人は何もしてくれなかったんだろう」と後悔するのは、あなた自身です。

遺言1つ書いてもらえないまま、将来に備えることもできずに老後を迎えるのは、精神的にも経済的にも非常にリスクが高いと思いませんか?

その現実に夫が向き合おうとしないのであれば、「この人とこれからも一緒にいる意味があるのか」と、一度立ち止まって考えてみてもいいのかもしれません。

離婚とは、感情の爆発ではなく、自分の人生を守るための選択肢です。

あなた自身を守るためにできること

まずは、あなたの気持ちを大切にしてください。

怒りや不安の奥には、「私はもっと大切にされたい」という願いがあります。

夫との話し合いは、一度では終わらないかもしれません。

それでも、専門家(行政書士や弁護士など)に相談しながら、一つひとつ備えを進めていくことで、自分自身を守ることができます。

どうしても夫が向き合ってくれない場合は、離婚・別居を含めた「新しい人生設計」を立てることも現実的な選択肢のひとつです。

遺言とは「愛情の見える化」

遺言書とは、単なる財産分配の指示書ではなく、「残されるあなたの人生を支えたい」という愛情の証です。

それを書いてくれない夫に対して「離婚を考えてしまう」のは、決しておかしなことではありません。

むしろ、あなたがちゃんと自分を大切にしている証です。

自分を大切にすること、そして安心して未来を迎えられること。

その両方が、あなたのこれからの人生には必要なのではないでしょうか?

【まとめ】遺言書の作成は専門家へ

今回の記事には少々強めの表現もあったと思いますが、ご夫婦で将来について考えるきっかけになれば幸いです。

愛の証である遺言書は、気持ちさえあれば作成自体はそんなに難しくありません。

しかし、法的な形式に合っていないと、せっかく作成しても無効になることがあります。

そのため、遺言書を作成する時には専門家のサポートを受けるのがおすすめです。

当事務所は遺言書の作成をトータルでサポートいたします。

くわしくはコチラをご覧ください。