夫に遺言書を書いてほしいあなたへ

残される妻が本当に困らないために

「うちは子どももいないし、財産といっても家と少しの貯金くらい。相続のことで揉めるなんてこと、うちには関係ない」
そう思っている方も多いのではないでしょうか。
でも実は、子どものいないご夫婦こそ、相続の場面でトラブルになりやすいんです。
そしてその時、矢面に立たされて困るのは――たいていの場合、妻である「あなた」です。
遺言書がないと夫の財産はすべて妻のものにならない

多くの方が誤解していますが、夫が亡くなった時、妻がすべての財産を自動的に相続できるわけではありません。
夫に子どもがいない場合、夫の親や兄弟姉妹が相続人になります。
そして、その人たち全員と「遺産分割協議」という話し合いをしないと、財産を引き継ぐことができないのです。
たとえば、夫の弟や姉、あるいはその子ども(甥や姪)と連絡を取り、同意をもらう必要があります。
長年会っていない相手でも、音信不通だったとしても、法律上は「正当な相続人」です。
自宅も貯金も「みんなで分けてください」と言われたら?

自宅は夫婦で住んでいたものでも、登記が夫名義なら夫の遺産になります。
もし、夫の兄弟姉妹などから「家を売って現金にして分けてください」と言われたら?
法律上、それを拒むことはできません。残されるあなたが「この家で暮らし続けたい」と思っていても、同意を取りつけるために奔走しなければならなくなるのです。
夫の預貯金も同じです。すぐに引き出せず、相続人全員の印鑑をそろえて手続きをしなければなりません。
「生活費が足りない」「葬儀費用が払えない」といった事態にもなりかねません。
この現実を避けるために、できるたったひとつのこと。
こうしたトラブルや不安を回避する方法――それが「遺言書」です。
遺言書に「すべての財産を妻に相続させる」と書かれていれば、兄弟姉妹などには相続の権利がなくなり、面倒な話し合いも必要なくなります。
つまり、あなたが安心してこれからの人生を送るための「盾」になるのです。
遺言書は、「死の準備」ではありません。あなたを守るための、「優しさのカタチ」です。
遺言書があると妻の未来が守られる

遺言書があると、以下のようなメリットがあります。
- 親族とのトラブルを防げる
- 自宅や預貯金を守ることができる
- 手続きがスムーズに進み心身の負担が軽くなる
- 残されたあなたの暮らしが変わらず続けられる
逆に、遺言書がなければ・・・悲しみの中で、親族への連絡や交渉に追われ、弁護士を探し、家を手放す。そんな現実が待っているかもしれません。
そうは言っても、「夫に遺言書の話なんてしにくい」そう思う方も多いと思います。
でも、あなたが困らないために、ぜひ勇気を出して伝えてみてほしいのです。
たとえばこんな風に――「もしもの時に、私が困らないようにしてくれたら、すごく安心できる」「この家で、ずっと暮らしていけたらうれしいな」
これは、保険に入るのと同じくらい自然で、あなたの未来を守るための優しい「備え」です。
遺言書は特別な人だけのものじゃない

「うちはそんなに財産がないから、遺言なんて必要ない」そんな声もよく聞きます。
でも、だからこそ、大切な財産を守るために遺言書が必要なんです。
遺言書は、特別なお金持ちや有名人のためのものではありません。
愛する人に安心を遺したい、そう思うすべての人のためのもの。
夫婦ふたりで未来の話をすること。それが、いちばんの優しさかもしれません。
【まとめ】遺言書作成は専門家へ!

この記事を最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
きっと遺言書の大切さが伝わったと思います。
遺言書の作成には、法的な知識や書類収集の手間がかかります。
専門家に相談すると、スムーズに作成ができるのでおすすめです。
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